勿論、弁当や飲料も相当なコンテンツパワー(集客力)がある。しかし、弁当には賞味期限があり、自炊・外食店という競合が存在、また、飲料にはカフェや自販機や水道水という競合、がある。ウォーターサーバーを置くオフィスも増えてきた。
これに対して、お菓子は自販機もなく、自炊することも難しく、賞味期限も長く、さらには「選ぶ楽しさ」という点で圧倒的だ。
この「選ぶ楽しさ」というのは結構馬鹿にならなくて、みんな、はるばるIKEAに行ったり、ららぽーとに行ったり、或いは巨大ホームセンターを半日かけて徘徊して、疲れたけど、楽しかったとこう言うわけだ。
お菓子の専門店として年商100億円超を商う「おかしのまちおか」はお菓子に特化して品揃えを充実させることで、お菓子を選ぶ楽しみという点でセブンイレブンやイオングループのような超一流企業を相手に回しても勝つことができる。
このように考えると、「おかしのまちおか」が成功した理由、お菓子を商材として起業した理由、が論理的にも導ける気がする。
■ 新規事業立ち上げに際して考えてみたい
この、「おかしのまちおか」から得られた示唆は、当たり前になってしまったコンテンツのなかにも、実はお宝があるということだ。ありふれたコンテンツの中から、最も価値のある一部を切り出すこと、でビジネスになる、とも言っても良いだろう。
他の例で言えば、リクルートはこの春にタウン&マーケットという新規事業を始めた。これはテレビの番組表と新聞の折込チラシを組み合わせた無料誌である。新聞という媒体の中に埋もれてしまっていた、しかし、実はパワフルなコンテンツである番組表と折込チラシを新聞を購読しない世帯が増えているという時代に合わせて提供する。
若い男性はあまり実感がないかもしれないが、主婦や高齢者は番組表、折り込みチラシを相当精緻に読み込んでいる。また、番組表も折り込みチラシもリクルートが手を掛けて制作するコンテンツでなく、無料コンテンツである。この目敏さは見習いたいものだ。
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