2009年05月30日

その新規事業はスケールメリットを追求できるか?

成功したベンチャーとして取り上げられることが多い、下記の新規事業には共通項が2つある。

・カットのみで、セットや洗髪をしない、10分1000円の理髪店「QBHouse」
・手や足のみと部位を指定できる、10分1000円のマッサージ店「てもみん」

1つは、これまで事業既存事業者が、きめ細かに提供してきたサービスをバッサリと切り捨て、コアサービスに集中、価格を半額未満に抑えたという点だ。サービス業における顧客への「きめ細やか」な対応は、必須であるかのように思いがちだから、こういった逆転の発想があることは胸に留めておきたい。

■ 新規事業立ち上げに際して考えてみたい
「きめ細やか」なサービスをあきらめて、コアサービスに集中、価格を抑えることで、既存事業者と差別化できないだろうか?

もう1つの共通項が、どちらも顧客1人に対して、従業員1人が対応する労働集約型産業であり、実はスケールメリットが働かないという点だ。商品を大量生産することで原価率が下がり、販売管理費効率は上がり、結果として利益率が向上するというスケールメリットが現れてこない。

「QBHouse」も「てもみん」もスケールメリットを追求すべく、フランチャイズ制を導入、利用者からサービスの代価を受け取るビジネスモデルから、フランチャイズ加盟店のオーナーに店舗経営の仕組みを提供、代価としてロイヤリティを受け取る形にビジネスモデルを変換している。

■ 新規事業立ち上げに際して考えてみたい
その新規事業はスケールメリットを追求できるビジネスモデルか、チェックしてみよう。

QBHouseは座った人数や順番をセンサーで把握する椅子、吸引により毛髪を取り除くウォッシャーなど特殊な設備面で語られることも多いが、一般の理髪店や美容院の椅子や洗髪台も充分、特殊なものだ。例えば、QBHouseなどのFC制度を利用して起業する理容師が多いなら、そういった理容師をターゲットとして、専用の椅子や洗髪台を提供する事業を展開することでスケールメリットを追求できよう。
posted by 新規事業立ち上げマン at 15:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 新規事業チェックリスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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