「東京0区」事業凍結に関する報告は、非常にうまくまとめられており、一読でメタバース事業の運営の難しさを理解できる内容だが、それを敢えて更に要約するとすれば、凍結の理由は4点である。
・メタバースという市場が全体では収縮トレンドにある
・携帯電話向けに移植することが困難である
・ブラウザ上で動くように仕様変更することも困難である
・iPhoneやAndroidの登場により先行きが不透明な状況にある
この説明だけだと「アメーバピグ」や「ニコっとタウン」のような数千万円単位の投資で開発できる、ブラウザとFlash で動くようなメタバースの可能性はなかったのかという気もするが、SBI Robo CEOの渡部氏によれば、SBIがメタバースに取り組む目的は「仮想通貨の流通」とのこと。確かにその目的であれば、「アメーバピグ」のアプローチが最適とは言えないように思える。
同じメタバースでも、Habboのように限定されたコミュニティとして年間の売上数十億円程度を狙いに行くのか、それとも仮想通貨のデファクト・スタンダード、売上1000億円超を狙って行くのか、でサービスの内容も全く違ってしまうということか。その意味ではこの「東京0区」だけでなく、「Meet-me」なども後者のポジションを狙っているのだろう。
■ 新規事業立ち上げに際して考えてみたい
同様のサービスモデルで大幅に先行しているプレーヤーが居たとしても、サービスの目的やターゲットを変えたり、マーケットを小さく絞り込むことで、成功できる(先行プレーヤーが失敗している場合は、尚の事、手を変える必要がある)。
http://blog.tokyozeroku.com/